水虫の治し方 PR

水虫に介護の現場で感染したらどうする?予防はできる?

水虫を介護の現場で予防する

水虫に介護の現場で感染したらどうする?予防はできる?

高齢者の介護施設で職に就かれている方は、施設での水虫の感染に気を使っておられることと思います。

入所者間で感染しないように、また介護者と入所者間での感染を防ぐように各施設で色々と努力されているのではないでしょうか?

今回は

  • 入浴など介護の現場で水虫の感染を予防する方法
  • 介護者が水虫になってしまったらどうしたらいい?

などについて、足の指の間の水虫を完治できた私の経験から色々とご紹介したいと思いますので、少しでも参考になればと思います。

高齢者の水虫の現状

公衆衛生学の研究者、文京学院大学の藤谷克己教授は、高齢者施設の入所者の家族から「入所後に水虫に感染した」というクレームが多いということから、2016年に水虫の調査を行われました。

10才から90才代の男女159人(男性61人、女性98人)を対象にして、水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)の保有率を調べたそうです

この調査で分かったことは、

65歳以上では55%の方から白癬菌が検出され、高齢者の半数以上が足の白癬(水虫)に感染しているということです

たかが水虫と思いますが、高齢者や糖尿病患者さんは免疫力や抵抗力が低下していることが多く、水虫から蜂窩織炎(ほうかしきえん)といった深刻な2次感染がおこる可能性もあります。

関連記事>>>水虫や爪水虫は自然治癒する?放っておいても大丈夫?

蜂窩織炎は膝から下に発症することがほとんどで、水虫の傷口などから黄色ブドウ球菌といった細菌が侵入し、皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけて化膿してしまう感染症です

また足の水虫を放置していると、白癬菌が爪に侵入して爪水虫に進行することもあります。

爪水虫になると、

  • 爪が厚くなって靴が当たると痛くなったり
  • 爪がボロボロと崩れてきて歩行に影響が出たりして

クオリティーオブライフ(人間らしい生活や自分らしい生活を送ることができること)の妨げとなります。

ナオ
ナオ
高齢者の半数以上がかかっているという足の水虫、他の入所者や介護者にうつらないようにするにはどうすればいいのでしょうか?

爪水虫についてはこちらで詳しくご紹介しています。

関連記事>>>これって爪水虫かな?原因、症状や治療法は?

水虫がうつるしくみを知りましょう

足の指の間がかゆい

まず知っておきたいのは水虫がどのように感染するかということです

  • 水虫は白癬菌(はくせんきん)という真菌、すなわちカビの一種が何らかの経路で皮膚につき、そのままにしていると12時間から24時間かけて皮膚の角質層に侵入し、感染が成立します
  • 白癬菌は高温多湿の環境で増殖し、特に気温が26度、湿度が80%以上になると爆発的に増えてしまいます
メイ
メイ
水虫に触ったからといってすぐに感染するのではないので、安心してくださいね。

入浴や足浴の際の入所者さんの水虫予防

足水虫の感染防止に大切な2つの大きなポイントは

  1. 白癬菌が皮膚についた可能性があった時点から12時間以内に皮膚をきれいに洗う
  2. 足は蒸れた状態ではなく、できるだけ乾燥させる

お風呂のお湯から水虫はうつる?

「水虫の方が入ったお風呂に入っても、お湯からは感染しない」ということは多くの皮膚科の先生がおっしゃっています。

それでも気になる場合は、お湯から最後出た後にシャワーできれいに全身を流しましょう。

もし皮膚に白癬菌がついていても流水と一緒に流れていきます。

関連記事>>>お風呂でもうつるの? 水虫の感染経路と水虫が増殖する環境

水虫の一番の感染経路はバスマット

お風呂のお湯よりも気をつける必要があるのは、感染経路として一番多いバスマットです!

入所者さんに関しては、お風呂から出られる時に他の方が使ったバスマットを共有されることは仕方のないことだと思います。

入所者さんの予防に関してできることですが、

  • 入浴日以外でも足浴を行って足を12時間から24時間以内に洗うことは可能ですか?
  • もしくは1日1回足をぬれたタオルで足の指の間まで拭くだけでもかなり予防ができます

使用後のバスマットやタオルはどうしたらいい?

使用したバスマットやタオルはまめに取り換えて洗濯し、天日干しや乾燥機で完全に乾かしましょう。

ナオ
ナオ
お水に普通の洗剤での洗濯でも白癬菌がほぼいなくなることがエフシージー総合研究所の実験で分かっています。

また白癬菌がついたものと他の衣類などを一緒に洗っても大丈夫なこともわかっており、多くの皮膚科の先生方も気にしないように、と言われています。

関連記事>>>水虫は洗濯でうつるの?水虫のついた靴下と一緒に洗うのは大丈夫?

白癬菌の殺菌を徹底させる場合は、白癬菌は約60度ほどで死滅することがわかっていますので

  • 60度以上の乾燥機で乾燥させる
  • アイロンをかけて白癬菌を死滅させる方法 

が効果的です

はだしで歩く場所の床をきれいにすることが大切

床掃除で白癬菌除去

特に脱衣所体重計を含めて白癬菌がついた皮膚片や垢が落ちやすいところですので、掃除機をまめにかけて、ぬれ雑巾やぬれタオルで床をふきましょう。

ぬれタオルや雑巾で床の表面をふいただけでも、白癬菌はほとんど除去できることが証明されています

除菌スプレーをするよりは、ぬれタオルや雑巾で表面を拭いて、垢や皮膚片を取り除くことをおすすめします。

使用後の浴槽、洗面器、浴室は洗った後に換気を行って、浴室全体を乾燥させましょう。

関連記事>>>うつりたくない!水虫を防ぐ床掃除方法

介護者の水虫予防はどうすればいい?

入浴介助の際は素手の施設や、手袋着用の施設、服装は長靴にエプロンのところもあればハーフパンツにゴムサンダルなどそれぞれ違うと思います。

長靴をはかれている場合は、できれば自分専用のものの方が安心です、その理由は

長靴をはいている時、その中は高温多湿になっています

もし他の人の白癬菌が長靴の中に落ちていると、爆発的に増える環境になってしまいます

介護の現場では白癬菌が足や手の皮膚につく可能性はとても高いと思います。

でも先ほどもご紹介したように感染の予防はできます。

  • 白癬菌が皮膚についたまま、12時間以上放置しないようにしましょう
  • 足は蒸れた状態ではなく、清潔で乾燥した状態をできるだけ保ちましょう

関連記事>>>水虫の予防法ってあるの?もう絶対なりたくない!

足の洗い方ですが、ゴシゴシと洗うと皮膚に傷がついて、傷から白癬菌の侵入が早くなってしまうので、泡立ててやさしく指の間も洗いましょう。

そして清潔なタオルで指の間まで完全に乾燥させた後に靴下をはきましょう。

メイ
メイ
私は足の指の間の水虫が無事に完治した後、今でも週に2~3回、抗真菌薬という水虫薬を足の指の間、足の裏に塗って感染を予防しています。

足の皮膚に他の人の白癬菌がついた後でも、水虫薬を塗ると菌をやっつけてくれる、という実験結果も出ていますので予防に役立ちます。

水虫には現時点では確定した耐性菌は発見されていませんが、先ほどの藤谷克己教授によると、耐性菌に似た新しい菌が現れたということですので、今後水虫の耐性菌があらわれるかどうかわかりませんが、私は今のところ水虫薬を予防に使っています。

関連記事>>>水虫に薬が効かなくなる耐性菌はあるの?

入所者の方が水虫に感染したら?

皮膚科

入所者の方の水虫は早めに医師に診てもらって、治療を始めてもらいましょう。

クリームタイプの塗り薬で治療されることが多いでしょう。

  • 指の間の趾間型や、足の裏に小さな水ぶくれができる小水疱型は一般的に塗り薬で比較的短い期間(3~4か月)で完治するケースが多いです
  • かかとがガサガサになる角質増殖型は最低6か月~、爪水虫は1年から1年半ほど完治まで時間がかかります

関連記事>>>水虫の完治にかかる治療期間ってどれくらいか知ってる?

メイ
メイ
角質増殖型や爪水虫は「かゆみ」といった自覚症状がない場合が多いので、気づかないうちに白癬菌がたくさん落ちて周りにうつしてしまっている可能性もあります

角質増殖型と爪水虫は飲み薬の方が効果が高いのですが、残念ながら肝機能に問題のある方や、他に薬を服用している場合は使えない場合が多いです

関連記事>>>気になる水虫薬の副作用とは?

介護者が水虫になってしまったら?

もし介護者が水虫になってしまったら、一番安心なのは皮膚科を受診することです。

病院を選ぶ際は「顕微鏡検査」を行ってくれるところを探しましょう。

顕微鏡検査とは、患部の皮膚を少しとって顕微鏡で、水虫の原因である「白癬菌」がいるかどうか調べる検査です

仰々しく聞こえますが、通常約10分ほどでその場で結果がわかります。

なぜ顕微鏡検査をしてくれる病院を選ぶかというと、水虫というのは実は見た目だけでは専門医でも水虫を似た「汗疱(かんぽう)」といった皮膚疾患と見分けるのが大変困難だからです。

関連記事>>>それ水虫じゃないかも?水虫に似た症状とは

顕微鏡検査で白癬菌がいるかどうかをきっちり調べてもらって、そのうえで治療を始めることが完治への近道です

白癬菌をやっつけてくれるのは「抗真菌薬(こうしんきんやく)」という薬で、最近の水虫薬は1日に1回の使用で十分効果があるものがほとんどです。

市販薬で治したいという方は、女性におすすめの市販で買える抗真菌薬ランキングを参考にして下さいね。

こちらをチェック!>>>女性に人気の水虫市販薬おすすめランキング

治療中に一番大事なのは、

かゆみといった症状が1週間ほどでなくってもそこで薬をやめずに、最低2~3か月は自覚症状がなくなってからも薬を塗り続けることです

なぜなら、

白癬菌は残念ながらそんなに簡単には全滅してくれなくて、かゆみがなくなっても実は角質の奥深くに根を張るように広がっているため、もし1週間や2週間で薬をやめてしまったら、確実に再発するからです(>_<)

肌の新陳代謝(ターンオーバー)は28日から56日といわれていますので、最低でも2か月は塗り続けて、完全に白癬菌が体からいなくなるまで治療を続けることが完治につながります。

水虫治療に効果的な薬の塗り方はこちらの記事でご紹介していますので読んでみてくださいね。

関連記事>>>足水虫を短期で完治させたい方必見!水虫薬の効果的な塗り方

介護の際の爪切りで水虫に感染する?

介護スタッフは入所者の健康な爪は切ることはできますが、爪白癬や巻き爪、糖尿病患者さんの爪を切ることは2次感染などのリクスがあることから、看護師や医師にのみ許されています。

健康な爪を切った後は、念のため爪切りを熱湯で消毒して乾燥させ、手も石鹸できれいに洗って乾かしましょう。

介護の現場での水虫のまとめ

水虫は人にうつる皮膚感染症ですが、白癬菌がついたからといってすぐに感染、発症する病気ではありません。

メイ
メイ
水虫の方の足に触った後や、入浴介助を終えた後は、12時間以内に手や足を指の間まで泡でやさしく洗い、清潔なタオルで完全に水分をふき取って、乾燥させてから靴下をはくようにすれば感染をほぼ防ぐことができます。

私は足水虫がなかなか完治しない夫の水虫が家庭内でうつらないか、少し前は気になりました。

でも今日ご紹介したような予防方法を調べて学んだので、それを毎日実践して今では心配していません。

皆さんもこの記事を参考にしていただいて、お仕事中の水虫対策は足の清潔と乾燥に心がけ、水虫が感染するんじゃないかというストレスが軽減されますように!

糖尿病と水虫についてもまとめてみましたのでよかったら読んでみてくださいね。

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