水虫薬が効かなくなる耐性菌は生じる?
水虫の治療薬を使っていて、
- あれ、全然効かない、効果がないのかな?
- こんなに長い間同じ薬を使って、効果がうすくなったり、効果がなくならないかな?
と思ったことはありませんか?
水虫を完治させるためには、抗真菌薬を短くても最低2、3ヶ月長くて6ヶ月、爪水虫では1年から1年半の長期間使い続ける必要があります。
今回は水虫に耐性菌があるのかどうかをご紹介したいと思います。
「耐性菌」って何?
最近院内感染問題などで耳にする「耐性菌(たいせいきん)」、これは抗生物質などの「抗菌薬」すなわち細菌を殺菌する薬に耐えて増殖することができる菌のことです。
抗生物質の耐性菌ができてしまう原因としては
- 抗生物質の使いすぎ
- 中途半端な抗生物質の使い方
があげれらます。
中途半端な使用に関しては、内科で抗生物質を処方された時に「症状が治っても、薬をのみきって下さいね」と言われますよね。
医療業界ではこの新しい耐性菌をやっつける新種の抗菌薬を開発する必要が出てきて、でもまたその抗菌薬でも効かない新しい耐性菌が出てきてしまう、という「いたちごっこ」となっています。
では水虫には耐性菌があって、長い間水虫の薬を使い続けていると薬が効かなくなってしまうことはあるのでしょうか?
水虫に薬が効かなくなることはある?
東京医科大学皮膚科学教授の坪井良治先生によると、
幸い、皮膚糸状菌は増殖が遅いこともあり白癬に対する抗真菌薬の耐性化はなく、 同じ抗真菌薬を長期間使いつづけても効果が減弱する心配はありません。
ということです。よかったです〜!
じゃあどうして水虫薬が効かないの?
ではどうして処方や市販の水虫薬を塗っても足水虫の症状がよくならないのでしょうか?
それにはいくつかのケースが考えられます。
- 水虫だけど、市販薬が合っていなくて皮膚がただれる、かぶれる
- 水虫だけど、市販薬の効果が不十分で水虫が悪化している
- 水虫だけど、その傷口から細菌が入って炎症を起こしている
- 水虫ではなくて、汗疱(かんぽう)など他の皮膚疾患に市販薬で皮膚がただれる、かぶれる
また爪水虫は新しい爪が生えてくると同時にきれいになっていくので、治療に時間がかかります。
完治には親指の爪が完全に生え変わる1年くらい必要ですので、専門医と相談しながら根気強く治療を続けましょう!
爪の悩みをどうにかしたい!変色爪やゴワゴワ爪対策をこちらの記事でランキングにしてご紹介していますので参考にして下さいね。
関連記事>>>変色爪、ゴワゴワ爪におすすめの市販薬や爪用ジェルのランキング
それでは足水虫に薬が効かない理由を一つずつみていきますね。
水虫だけど、市販薬が合っていなくて皮膚がただれる、かぶれる
市販薬の水虫薬はたくさん種類がありますが、そのほとんどが白癬菌をやっつける「抗真菌薬」の他にかゆみ止めや、炎症を抑える成分、臭いのもととなる菌を殺菌する成分などが配合されています。
薬が水虫には効いているけど、このような他の成分によって、皮膚がただれたり、かぶれるということがあげられます。
市販薬でも「ラミシールATクリーム」と「ラミシールAT液」は抗真菌薬だけ配合の塗り薬なので、かぶれが心配な方はこの薬をおすすめします。
水虫だけど、市販薬の効果が不十分で水虫が悪化している
水虫の塗り薬って1回にどれくらい使っていますか?もしかして薬が行き届いてなくて、白癬菌をうまくやっつけられてないのかもしれません。
病院で塗り薬を処方されている場合は、担当医に正しい塗り方を聞きましょう!
効果的な水虫薬の塗り方をご紹介しますね。
- お風呂に入って皮膚を柔らかくし(薬が角質に浸透しやすくなります)、指の間まで丁寧に泡でやさしく洗う。
- 清潔なタオルで指の間の水分までふき取ってくださいね。
- クリームタイプなら人差し指の第一関節ぐらいの量を出します。これで約0.5グラム、片足分です。
- 片足しか症状が出ていない場合でも、できれば両足に塗りましょう、両足で1グラムです。(1日1回の使用なら、15グラム入りのクリームであれば約2週間もちます)
- 水虫の症状のでているところだけではなく、まわりにも薄く広くクリームを塗りましょう。具体的には指の間、足の裏、側面、アキレス腱のあたりまで塗り広げましょう。
- 塗った後べたべたが気になる場合は靴下をはいて、薬が床につくのをできるだけ防ぎましょう。(指を独立させて乾燥させる5本指ソックスがおすすめです)
- 布団に入る時は蒸れるので靴下を脱いでくださいね。
関連記事>>>水虫に効果的な5本指ソックス、夜寝る時はぬぐ?履く?
水虫だけど、その傷口から細菌が入って炎症を起こしている
水虫で皮がめくれたりした傷口から細菌(ばい菌)が入ってしまう場合があります。
特に免疫力が低下している時になりやすい傾向があります。
- 足の指や足全体、足首の腫れや化膿
- 上記の症状とともに発熱や全身の倦怠感、寒気
- 太もものリンパ腺が痛い
このような症状や、いつもと患部の皮膚の様子が異なり、体調もおかしい場合はできるだけ早く皮膚科を受診しましょう。
水虫ではなくて他の皮膚の病気
水虫に似た皮膚の病気はたくさんあって、症状も似ています。
もし水虫薬を塗っても症状がよくならなかったり、悪化する場合は皮膚科を受診して本当に水虫がどうかを調べてもらいましょう。
水虫に似た皮膚の病気のいくつかについてはこちらのページで取り上げています。
関連記事>>>それ水虫じゃないかも?水虫に似た症状とは
皮膚科にみてもらう場合のポイント
皮膚科を受診する際は必ず「顕微鏡検査」で白癬菌の有無を調べてくれる病院を選びましょう。
なぜかというと、
水虫といくつかの他の皮膚の病気(汗疱など)は大変似ていて、見た目だけでは皮膚の専門医でも見分けることは極めて困難だからです
そのため患部の皮膚を少しとって顕微鏡で白癬菌がいるのかいないのかを確認してもらうことが大切です。
市販薬を使っていた場合は、その旨(市販薬の種類、期間)を皮膚科の受診前に伝えましょう
市販薬を使っていると水虫であっても白癬菌が検査で見つけられない場合がありますので、市販薬の使用を一定期間やめてから受診するように言われる場合もあります。
水虫に耐性菌はあるの?のまとめ
幸いなことに、現時点では水虫菌に耐性菌はなくて、水虫薬の効き目がなくなるということはありません。
もし処方薬や市販薬で水虫の症状が改善されない場合は上記のような何らかの理由があると思われます。
また爪水虫の場合は完治には1年ほど時間がかかりますが、途中であきらめずに治療を行ってくださいね。
今度の夏にはきれいな素足でサンダルがはけるように完治に向けてがんばりましょう!