水虫と思って皮膚科に行く人の
3〜5人にひとりは水虫以外の皮膚の病気
だそうです。
水虫の症状に似ていても他の疾患の場合がありますので、自己判断せずに
- 記事内の症状や原因に心当たりのある方
- 市販の水虫薬を使っていても、改善しない方
は皮膚科を受診してくださいね。
「水虫かどうかの判断」は皮膚科医でも見た目だけでは難しいので、必ず
顕微鏡検査
で白癬菌がいるかどうかを確認してもらいましょう。
この記事では、水虫に似ている症状ふたつと画像を紹介するので、参考にしてください。
汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)
汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)はもっとも水虫に似た症状で、皮膚科医でも見た目だけではこのふたつを見分けるのは困難です。
正しい診断には顕微鏡での真菌検査を行う必要があります。
汗疱状湿疹の症状
汗疱状湿疹の症状は次のようになります。
- 手のひら、手の指、足の裏、足の指の間に症状が出ます。
- 1〜2mmほどの小さな水ぶくれのようなぶつぶつがたくさんできたり、皮がむけたりする症状です。
- よくなったりひどくなったりします。
- 患部が赤くなったり、強いかゆみや、水ぶくれが破れてただれた時には痛くなることもあります。
汗疱は水虫のような真菌によるものではないので、ほかの人にうつることはありません。
汗疱状湿疹の原因
実は詳しい原因はまだわかっていませんが、現在関連があるといわれているのは
- 多汗症
- ストレス
- 喫煙
- 金属アレルギー
- アトピー
などです。
また
扁桃腺や、中耳炎などの慢性的な病巣
も症状と関係しているのではないか、といわれています。
汗疱状湿疹の治療
現在では「いかに症状をコントロールするか」がポイントといわれています。
- 病巣を取り除くようにしたり
- 軽症の場合は尿素系クリームなどの保湿剤
- 赤くなったり、かゆみや炎症がある場合はステロイド剤
- かゆみがひどい時は抗ヒスタミン
が使われることもあるようです。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症の症状
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)の症状は次のようになります。
- 主に手のひらや足の裏に症状がでます。
- うみがたまった小さな水ぶくれが次々とできます。
- まず赤みができて
↓
その後、うみの水ぶくれができ
↓
その水ぶくれが、茶色っぽいかさぶたになりますが
↓
また新しい水ぶくれができます。
症状はよくなったり、悪くなったりを繰り返します。
かゆみは最初のころによくでますが、皮がむけたりひび割れたりすると痛みを伴います。
うみの中には真菌や細菌はいないので、ほかの人にうつったりすることはありません。
日本皮膚科学会によると、掌蹠膿疱症の約10%の患者さんが
鎖骨や胸の中央、他の関節や骨に炎症があり、痛むことがある
そうです。
掌蹠膿疱症の原因
現在患者さんの2〜3割が
- 虫歯、歯周病、扁桃腺、ちくのうなどの感染病巣
- 金属アレルギー
と関連していることがわかっています。
残りの7〜8割りは原因をつきとめることがむずかしいそうです。
また統計によると掌蹠膿疱症の患者さんのうち
約80%の人が喫煙者
ということです。
掌蹠膿疱症の治療法
日本皮膚科学会によると掌蹠膿疱症の治療法は
感染病巣や金属アレルギーが原因の場合は、その要因を取り除くようにします。
原因がわからないときは
水ぶくれがたくさんできていたり、炎症がひどい場合はステロイドの塗り薬を利用して症状を緩和
その後「活性型ビダミンD3軟膏」という皮膚の角化を防ぐ塗り薬などに変更していく
というのが一般的のようです。
また症状に合わせてほかの塗り薬や、内服薬、紫外線療法なども取り入れられているようです。
現在の医療では決定的な治療法はまだ見つかっていないそうなのですが、上記のような治療を続けていくと
平均して3年から7年でよくなってくるということです。
心当たりのある方はできるだけ早く皮膚科で調べてもらって、治療を始めるのが最善です。