重症の場合には、
水虫が痛くて歩けないほどになることもあります。
今回は足水虫がどういったときに痛くなるのか
- 5つの原因
- それぞれの対処法
についてご紹介したいと思います。
①水虫の患部を引っ掻いて痛い場合
足水虫には3つの種類がありますが、かゆくて引っ掻いてしまう水虫は、おもに次の2種類です。
①趾間型(しかんがた)
趾間型(しかんがた)は一番よくみられるタイプで、
足の指の間に、白癬菌が感染する水虫です。
かゆみを伴うことが多く
ジュクジュクタイプ
と
かさかさタイプ
があります。
私もかかった趾間型について詳しくこちらの記事でご紹介していますので、読んでみてくださいね。
②小水疱型(しょうすいほうがた)
小水疱型(しょうすいほうがた)は、
赤い小さな水ぶくれが、土踏まずや足の外側や内側にできるタイプ
で、強いかゆみがあります。
水ぶくれがつぶれると黄色っぽい汁がでてきます。
小水疱型については、こちら↓の記事に詳しくまとめていますので参考にしてください。
水虫の趾間型や水ぶくれを掻いて痛い!
趾間型と小水疱型の水虫のつらーいかゆみ、ついつい掻いてしまうと止まらなくなりますよね!
皮膚がむけて赤くなるまで掻いてしまっていませんか?
皮膚が水虫で弱っているところに爪などで引っ搔くとジンジン、ピリピリと痛くなってしまいます。
水虫を引っ掻きすぎて痛い場合の対処法は?
まず患部を冷たい水で洗ってきれいにしましょう。
熱いお湯は引っ掻くのと同じような気持ちよさがありますが、皮膚にさらなるダメージを与えるのでだめですよ。
そして
- 皮膚科を受診するか
- かゆみ止め成分が入った水虫市販薬を使い始めましょう。
皮がむけてしまった場合は液体水虫薬はしみるので、刺激の少ないクリームタイプや軟膏タイプがおすすめです。
②市販の塗り薬でかぶれ、炎症をおこして痛い場合
市販の水虫薬を使い始めたものの、かぶれや炎症がおきて痛くなる場合もあります。
その原因をふたつ取り上げます。
①水虫ではなくて、湿疹などほかの皮膚病である
水虫と、いくつかの皮膚の病気は大変似ています。
水虫と思い込んで、市販の水虫薬を使っていてもよくならず
→かえって症状を悪化させてしまっている可能性もあります。
②水虫には効いているけど、薬で皮膚がかぶれている
市販の水虫薬には白癬菌をやっつける抗真菌成分の他に
- かゆみ止め成分や
- 足のにおいの原因菌を殺菌する成分
などが入っています。
その成分によって、かぶれたり炎症をおこす場合があります。
市販の塗り薬を使って、かぶれや炎症を起こして痛い場合の対処法
この場合はすぐに市販薬の使用を中止して、皮膚科でみてもらいましょう。
皮膚科を選ぶ際は
顕微鏡検査
を行ってくれる病院を選ぶことが大切です。
なぜなら、水虫といくつかの水虫に似た他の皮膚疾患は
専門医でも見た目だけでは見分けがつかないからです。
患部の皮膚を少しとって、顕微鏡で水虫の原因菌である
「白癬菌(はくせんきん)」
の有無を確かめてもらった上で、適切な治療を始めましょう。
受診の際にひと気を付けることは、
市販薬を使っていると、顕微鏡検査で白癬菌が見つけられない場合があることです。
電話や受付で、使っていた市販薬の種類と期間を伝えましょう。
皮膚科で水虫と判明した場合、処方される塗り薬には、通常かゆみ止めなどは入っていなくて白癬菌をやっつける抗真菌成分のみ配合なので
↓
かぶれたり炎症をおこす可能性は低くて安心です。
もしドラッグストアで、抗真菌成分のみ配合の薬を買いたい場合は
「ラミシールATクリーム」
という薬があります。
「ラミシールプラス」はかゆみ止め成分などが入っていますのでお間違いなく!
③角質増殖型水虫がひび割れて痛い場合
角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)は、一般的な水虫のイメージとはちょっと異なっていて、あまり知られていません。
ほかの足水虫をほうっておいて進行すると、角質増殖型になることが多く、
通常かゆみがなく、自覚症状がない場合が多いタイプです。
気づかない間に白癬菌が家の中で散らばって、家族に水虫をうつしてしまっているケースも多いんですよ(>_<)
症状は
- 足の裏、特にかかとの皮膚が厚くなり
- 白っぽくなったり
- ゴワゴワ、ザラザラ
します。
ひどくなると、ひび割れて痛くなる場合があります。
「かかと水虫」ともいわれる角質増殖型について、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
今までこんなことはなかったのに
急にかかとがザラザラ、皮膚が厚くなって、ひび割れてきて痛い!
という場合は角質増殖型水虫の可能性がありますよ。
角質増殖型でひび割れて痛い場合の対処法
冬場に症状が悪化することの多い角質増殖型、ひび割れるほどになると残念ながら水虫が進行している可能性が大です。
皮膚科で正しい治療を受けましょう。
なぜならこのタイプはほかの足水虫とは違い
角質が厚くて、水虫の塗り薬がなかなか浸透しない
ため、正しい方法で治療をしないと、完治まで長い時間がかかってしまうからです。
できれば最短方法で治したいですよね!
角質増殖型には効き目の高い、抗真菌薬の飲み薬が処方されることがあります。
ただ飲み薬は
- 一緒に飲めない薬があったり
- 肝機能に負担がかかる可能性があったり
- 妊娠中、授乳中には水虫治療の飲み薬は内服できない
ので、信頼できる皮膚科でよく相談して治療法を決定してくださいね。
市販薬を試したい場合は
- エクシブディープ10クリーム
- メンタームディープナー10クリーム
など「尿素」が入っている水虫薬を使うと皮膚を柔らかくしてくれるので、角質層への薬の浸透を助けてくれますよ。
これらの薬は、↓のランキング記事の中でご紹介しています。
④爪水虫で爪が厚くなって、靴に当たって痛い場合
爪水虫はかゆみはないのですが、
- 爪が白く濁ったり、黄色く変色したり
- 黄白色の縦の線が爪に入ったりします。
そして
- 爪が厚くなったり
- ボロボロと下の方から崩れてきたりします。
ひどいケースでは、爪の厚さが1cmくらいになる場合もあります。
爪水虫で爪が厚くなって当たって痛い場合の対処法
爪水虫は、
足水虫から白癬菌が爪の中に侵入して感染するケースがほとんどです。
かゆみがないので放置していると、白癬菌が家のあちらこちらに落ちて
→身近な人にうつしてしまうことが多いタイプです。
私の母は強硬にも「爪やすり」で上部を削ったりしていますが、時々ばい菌が入って「もっと痛い!」といっています。
ですので、医師への相談なしに削ったりするのはおすすめできません。
角質増殖型と同じように、爪水虫も進行している水虫です。
やっかいなことに硬い爪の下に白癬菌がはびこっているので、塗り薬ではなかなか完治は難しいタイプです。
ですのでここはやはり専門の皮膚科でみてもらって、爪水虫の正しい治療を始めましょう。
そして少しでも早く、きれいな爪が生えてくるようにがんばりましょう。
処方される「ラミシール」や「イトラコナゾール」という飲み薬が一番効果が高いです。
だた先ほどもお伝えしたように、水虫の飲み薬は内服できない条件の方も多いですので、専門医とよく相談しましょう。
爪水虫の飲み薬、塗り薬については別の記事で詳しくご紹介していますので、読んでみてくださいね。
爪水虫のレーザー治療も最近注目されています。
日本の厚生労働省の認可が下りていないので保険がきかず自由診療となり、全額実費なので割高なのがデメリットです。
でも「薬以外で一刻も早く爪水虫の治療を始めたい方」には新たな方法だと思います。
爪の悩みをどうにかしたい!変色爪やゴワゴワ爪対策を紹介していますので、参考にしてくださいね。
⑤水虫から細菌が入り、二次感染で化膿して痛い場合
そして最後は最も対応に急を要し、深刻なケースです。
- 足の指や足全体、足首の腫れや化膿
- 上記の症状とともに発熱や全身の倦怠感、寒気
- 太もものリンパ腺が痛くなっている
どうしてこのような二次感染がおこるかというと…
水虫の患部は皮膚が大変弱くなっており、傷口が開いている場合もあります。
そのまま水虫を放置していたり、雑菌がついた手で触ったり掻いたりしてしまうと、
↓
そこから細菌(ばい菌)が入ってしまうことがあるのです。
水虫から二次感染でおこる病気には、以下のようなものがあげられます。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
水虫患部の傷から細菌が侵入して、皮膚の深いところから皮下脂肪組織にかけて化膿してしまう感染症です。
免疫力が低下している時に発症しやすく、糖尿病を患っている方や高齢者は特に注意が必要です。
リンパ節炎
細菌がリンパ管に入り込み、リンパ管やその周りの周辺の組織に炎症を起こします。
足水虫の場合は太もものリンパが腫れてきます。
このどちらの病気の場合も、早急な治療が必要となります。
水虫の症状から急に
- 足の指や足全体、足首の腫れ、化膿、発熱
- 全身の倦怠感、寒気
- 太もものリンパ腺が痛くなってきた
場合はすぐに皮膚科に行くことが必要です。
まとめ
一般的にかゆいと思われている水虫ですが、痛みを伴うこともあります。
痛い水虫のほとんどの場合は、専門医にみてもらうのが一番安心です。
「たかが水虫」と思ってしまいますが、最後の例のように大変深刻な病気に繋がる場合もあります。
自己判断はせずに、水虫が痛い場合は皮膚科を受診してくださいね。