水虫を完治させる薬はノーベル賞もの?
「水虫がなかなか治らないなぁ」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
よくいわれる「水虫は一度かかると完治しない」っていうのは本当なのか、ご紹介したいと思います。
水虫は完治する病気です(*^^*)
水虫に1度だけ塗って速攻で治る薬というのは現在のところ残念ながらありませんが、正しい治療を行えば水虫は完治します!
日本皮膚科学会のホームページには
「現在足白癬に有効な薬が沢山ありますので、足白癬を治すことは可能です」
と明記されています。「足白癬(あしはくせん)」というのは水虫のことです。
水虫が治らないといわれたのは今あるような効果的な薬ができる以前、50年ほど前のことです。
今水虫が完治できる病気になったのは、水虫の原因である真菌(しんきん)すなわち皮膚に潜む「カビ」をやっつけることができる抗真菌薬(こうしんきんやく)の目覚ましい進歩のおかげです。
つい最近まで水虫の塗り薬は1日に2回かそれ以上塗らないと効果があらわれないものだったのですが「水虫薬第3世代」とよばれる最新の抗真菌薬は進化して、1日1回塗れば十分に水虫を死滅させることができます。
女性に人気の市販薬はこちらのページでご紹介していますので参考にして下さいね。
こちらをチェック!>>>女性に人気の水虫市販薬おすすめランキング
どうして水虫はなくならないの?
ではどうして今でもたくさんの方が水虫に悩んでいるのでしょうか?
水虫は日本人の5人に1人、爪水虫は10人に1人が感染しているといわれています
水虫は高温多湿の環境で増殖するので、毎年梅雨の時期から夏の間に症状が出る方が多いのが特徴です。
乾燥して寒くなる秋、冬には症状がましになるので、治ったと思われる方も多いようですが、白癬期は角質の奥に潜んでいてまた暖かくなると悪化します。
また自覚症状の少ない角質増殖型(かかと水虫)や爪水虫は一年中発症しています。
水虫患者さんがなくならない大きな理由は2つあります。
- 水虫が完治する前に治療をやめてしまう
- 水虫が再発してしまう
水虫の正しい治療法とは?
水虫が疑われる場合はまず皮膚科を受診しましょう。
そして重要なのは顕微鏡検査で白癬菌がいるかどうかを確認してもらうことです。事前に顕微鏡検査ができる病院か確認してから受診するといいと思います。
実は水虫は専門医でも見た目だけで判断するのは難しい皮膚の病気なんです。
患部の皮膚を少しとって顕微鏡で白癬菌の有無を確認してもらうことが正しい治療への第一歩、完治への近道です
白癬菌が発見された場合は症状に合った薬を処方してもらいましょう。
もしくはまずは市販の塗り薬で様子をみたいと思われるでしょうか?
市販薬、処方薬どちらにしても、効果的な塗り方をしましょう。
- お風呂上がりの清潔で、薬が浸透しやすい柔らかい状態の皮膚にぬると効果的です。
- 患部だけではなくて周りにも薄く広く塗り広げましょう。
効果的な薬の塗り方をこちらの記事でご紹介していますので読んでみてくださいね。
関連記事>>>足水虫を短期で完治させたい方必見!水虫薬の効果的な塗り方
そして重要なのは、
自覚症状がなくなってもそれから最低2か月は水虫薬を塗り続ける
ということです。
かゆみがなくなると、治ったかな?と思って薬をやめる方が多いと思いますが、白癬菌は簡単には全滅してくれません。
皮膚のターンオーバーによってすべての白癬菌が体から出されるまで薬を塗り続ける必要があります。
角質増殖型や爪水虫は時間がかかりますが、専門医と相談しながら、半年から1年ほど飲み薬と塗り薬をうまく使って完治を目指してくださいね。
水虫の再発を防ぐためには?
私のおすすめは以下の予防法プラス「市販の水虫薬を週に2~3回足の指の間、裏、かかと、側面に塗る」という方法です。
私は足の指の間の水虫になって、完治してからこの予防法を続けていますが、再発していません。
- 白癬菌は皮膚に付着してから12時間~24時間かけて角質内に侵入してくるので、足は半日から1日の間に一度は洗いましょう。指の間までやさしくていねいに洗い、タオルで完全に乾燥させてくださいね
- 白癬菌は高温多湿を好みます。足がじめじめ蒸れないように、通気性のいい靴下や靴を選びましょう
- 白癬菌が多くいる公共施設(銭湯、温泉、プール、ジムなど)から帰ってきたら、足をぬれタオルで拭くか洗いましょう
- 家族に水虫の方がいる場合は、その方が完治するまでスリッパやバスマットは別のものを使いましょう
- 家族に水虫の方がいる場合は、完治するまで床掃除をまめにして、床に落ちている皮膚についた白癬菌を取り除きましょう
水虫の予防についてはこちらの記事を参考にして下さいね。
関連記事>>>水虫の予防法ってあるの?もう絶対なりたくない!
水虫の歴史
最後にあまり知られていない水虫の歴史について少しご紹介しますね!
太古の昔から水虫はあったと考えられていますが、世界で初めて科学的に白癬の研究を始めたのは1845年頃、ドイツのロベルト・レーマクによってでした。
日本では大正時代(1920年代)に水虫の原因がカビであることが一般的に知られるようになりました。
効果的な薬がない当時はきれいに患部を洗って乾燥させ、ヨードチンキや赤チンキを塗るという方法が試されていたようです。
1958年、イギリス人のGentlesという方が「グリセオフルビン」という水虫の飲み薬を初めて発明しました。
1969年に「ミコナゾール」といった現在につながる抗真菌薬が本格的に開発されるようになったのです。
現在では「飲み薬でしか治療が難しい」と長年いわれてきた爪水虫に効果的な塗り薬(クレナフィン、ルコナック)も処方されるようになり、水虫薬は日々進化を続けています。
このまま研究が進んで、いつか水虫の「特効薬」といわれるほどの強力な抗真菌薬、1回薬を塗れば水虫が速攻で完治するようになればいいなぁと思います!これこそノーベル賞ものですね。