水虫は抗生物質の塗り薬や飲み薬で治る?
水虫になってしまったら薬局の水虫薬は効くのはわかるけど、何か他の薬、例えば抗生物質でも効果があるのかな?と疑問の方もいらっしゃると思います。
以前にこちらの記事「水虫にステロイドは効果がないって本当?」でステロイドについてご紹介しましたが、今回は「抗生物質」の塗り薬や飲み薬が水虫に効果があるのかをご紹介したいと思います!
水虫に抗生物質は効果がある?
結論からいうと、残念ながら抗生物質で水虫は治りません(>_<)
水虫を治療することができるのは「抗真菌薬(こうしんきんやく)」という薬です
水虫は「感染症」の1つです
水虫というのは
白癬菌(はくせんきん)という真菌すなわち「カビ」の一種が皮膚に付着し、そのままにしていると12時間から24時間かけて角質層内に侵入してきて感染する病気、すなわち真菌による「皮膚の感染症」です
感染症ってなに?
もともと空気中や、水、土、動物には目に見えない大変多くの微生物が存在しています。
その微生物の中で、感染症を引き起こすものを「病原体」と呼びます。
病原体とは ー 細菌、ウイルス、真菌など
感染は、病原体が人間の体内に侵入→定着→増殖することで成立します。
感染症は大きく3つに分けられます。
- 細菌による感染症-効果があるのは「抗生物質」
- ウイルスによる感染症ー効果があるのは「抗ウイルス薬」
- 真菌(カビ)による感染症ー効果があるのは「抗真菌薬」
細菌による感染ってどんなもの?
具体的に細菌の病原体というと以下のようなものがあります。
おもな病原体
大腸菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、結核菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、破傷風菌、レンサ球菌 など
そして細菌によって引き起こされる病気はこのようなものです。
おもな感染症
肺炎、蜂窩織炎、腸管出血性大腸菌(O157)感染症、結核、破傷風、敗血症、外耳炎、中耳炎など
これらの病気を治療するのに効果があるのが抗生物質です。
- 抗生物質の働きとは?
抗生物質は細菌の細胞に作用して死滅させる働きがあります。
細菌の種類に応じて、大変多くの種類の抗生物質が現在存在します。
ウイスルによる感染ってどんなもの?
具体的にウイルスの病原体というと以下のようなものがあります。
おもな病原体
インフルエンザウイルス、ヘルペスウィルス、ノロウイルス、ロタウイルス、肝炎ウイルス、風疹ウイルス、HIV など
そしてウイルスによって引き起こされる病気はこのようなものです。
おもな感染症
喉かぜ、鼻かぜ、咳かぜ、胃腸かぜなど、インフルエンザ、はしか(麻しん)、風疹、水ぼうそう(水痘)、肝炎(A型、B型、C型など)、エイズなど
これらの病気を治療するのに効果があるのが抗ウイルス剤です。
- 抗ウイルス剤の働きとは?
ウイルスに直接作用して、ウイルスが増加するのを食い止める働きがあります。
また免疫機能を調節するものは体の免疫を高めて、ウイルスへの抵抗力を高めるという働きの種類の薬もあります。
真菌による感染ってどんなもの?
具体的に真菌の病原体というと以下のようなものがあります。
おもな病原体
白癬菌(水虫の原因)、カンジダ、アスペルギルスなど
そして真菌によって引き起こされる病気はこのようなものです。
おもな感染症
水虫(白癬)、カンジダ症、アスペルギルス症など
これらの病気を治療するのに効果があるのが抗真菌薬です。
- 抗真菌薬の働きとは?
真菌の細胞膜を破壊したり、細胞膜の合成を阻害する働きがあります。
水虫を治すのは抗真菌薬です
ご覧いただいたように、感染した病原体が何かによって効果のある薬の種類が変わってきます。
水虫の場合はイミダゾール系、アリルアミン系、ベンジルアミン系といった抗真菌薬が活躍をします。
- 現在皮膚科で処方される薬や、市販薬のほとんどは「第3世代の抗真菌薬」とよばれて大変進化しており、1日に1回の使用で十分に白癬菌を死滅させることができる効果が期待できます
- 完治にむけて大切なことは、かゆみといった自覚症状がなくなっても白癬菌はまだ角質の奥深くに潜んでいますので、それから最低2か月は薬を塗り続けることです!
水虫の正しい治療方法はこちらの記事も参考にしてくださいね。
関連記事>>>水虫の正しい治療法とは?今度こそ完治させよう!
もし水虫を市販薬で治したい場合は、こちらに女性に人気のある市販薬ランキングをご紹介していますので参考にして下さいね。
こちらをチェック!>>>女性に人気の水虫市販薬おすすめランキング
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水虫で抗生物質が処方されるケースもあります
抗生物質が処方されるのは、細菌感染がある場合です。
水虫の場合は、傷口から細菌が入って2次感染がおこる場合があります。
水虫の2次感染とは?
たかが水虫と思ってしまいますが、時には重い病気につながることもあるんですよ。
このような病気に進行してしまった場合は早急に病院で処置をしてもらうことが必要で、多くの場合は抗生物質の点滴などが投与されます。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
水虫の傷口などから黄色ブドウ球菌や溶連菌といった細菌が侵入し、皮下組織の深い部分から皮下脂肪組織にまで侵入して化膿してしまう細菌による感染症です
特に免疫力が低下している時に発症しやすく、抵抗力の下がっている高齢者、糖尿病患者さんにに多くみられます。
細胞そのものを壊死させてしまうために、もし重度になると生命の危険も考えられます。
90%は膝から下で発症し、広い範囲にわたって赤くなり、腫れや痛みを伴います。
リンパ管炎
細菌がリンパ管に侵入し、リンパ管やその周りの周辺の組織に炎症を起こします
足水虫からの2次感染の場合は、太ももの付け根のリンパに炎症が生じます。
高熱、悪寒、全身の倦怠感などがあらわれ、ひどい場合は歩行困難になります。
水虫に抗生物質は効果がある?のまとめ
抗生物質で水虫を治療することはできません。
なぜなら、水虫の病原体に対して抗生物質は作用しないからです。
自己判断で抗生物質の飲み薬や塗り薬を使わないようにしましょう!
抗生物質は専門医に処方された時のみ、量と期間を守って服用するようにしましょうね。
そして水虫は「抗真菌薬」が配合された水虫薬で治療を行い、完治をめざしましょう!
私は足の指の間のジュクジュク水虫を市販のクリームタイプの水虫薬を使って、3か月で完治させることができました!
私の水虫の完治の経緯はこちらの記事でご紹介しています!
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